2018/01/11
原因は円相場!? Skyにサンウェブ、相次ぐシマノ離れの理由

シマノにとって、2018年は苦境の年になるかもしれません。Worldtourの名だたる名チーム、チームSkyとサンウェブは、使用するコンポーネントの一部をシマノから他のメーカーに切り替えました。
両チームとも、ドライブトレインは依然としてシマノを使用しますが、Skyはステムとハンドルをピナレロ傘下のMOSTへ切り替え、サンウェブが新しく採用したのは、バイクと同じジャイアント製のホイールです。この変更は特に大きな違いを生みませんが、シマノから少し距離を置きたいというチーム側の意思が伺えます。
大手ニュースサイトは、この傾向をハウスブランドの影響力向上と分析しました。確かにボントレガー、ROVALなど近年ハウスブランド製品の品質は大きく向上し、それはジャイアントとMOSTも例外ではありません。性能面で考えた時、シマノ製品に拘る必要はもはや一切無いでしょう。
しかし、MOSTがシマノに並ぶ影響力を持っているかというと甚だ疑問です。そこで、経済面からその理由を調べてみた結果、驚きの事実が明らかになりました。近いうちシマノ製品を買おうと思っている方は注意が必要な内容かもしれません。(MOST、ピナレロのハウスブランドで主にハンドルとステムを製造している。クランプ径は標準的な31.8mmだが、どうみてもDEDAのOME(要出典))
さて、先ほど「驚きの事実明らかになった」と述べましたが、それを語る前に2つのグラフを見ていただきたいと思います。1つ目はシマノの株価、そしてもう1つはドル円相場のグラフです。
赤線で示した2012年から2016年にかけて、円が安くなる(ドル円グラフが高くなる)ほどシマノの株価が上がっていることがお分かりいただけるでしょうか。これは円安によってシマノの輸出売上が増え、投資家の期待を煽ったためです。そして円高になるタイミングではシマノの株価が下がることが多く、両者は連動して上下します。
2012年以前はあまり連動していませんが、これは為替を見ない投資家による株保有が多数派だったためです。それに対し、現在のシマノの株を持つ株主の2/3は、世界一のコンポーネントメーカーではなく、円高でも株価が下がらなかった優良企業としてシマノを見ています。つまり、円高で一定以上株価が下がれば、彼らは容赦なくシマノの株を売るということです。
また気になる2018年の円相場予想ですが、みずほ銀行チーフマーケット・エコノミスト、唐鎌 大輔氏は「100~105円まで警戒」として円高となる予想を発表しています。実際円高になるかどうかはまだ分かりませんが、これらの予想はシマノの株主にとって売り方向の大きな圧力となるでしょう。(FXで有り金全部溶かした人の顔)
そして株価が下がれば、収益性の悪い事業は畳むしかありません。IR向け資料では細かい内訳を見ることは出来ませんでしたが、普及率から考えても、シマノのハイエンド自転車事業はホイール等で出た赤字をグループセットの利益で補填しているというのが現状だと思います。
という訳で、これらの情報から導き出される答えは、2018年、大きな円高になった場合、シマノはホイール、その他の雑多なコンポーネント事業から撤退する可能性があるという事です。
チームSky、サンウェブの対応はそれらを視野に入れたものと見て間違いないでしょう。今はまだ可能性の1つですが、シマノのホイールを狙っている方は早めの購入をオススメします。
http://road.cc/content/tech-news/235096-team-sunweb-race-giant-wheels-2018
まあホイールからの撤退は考えすぎかもしれんけど、サンウェブ以外は全部欧州メーカーのバイクやし、ワンチャン可能性はあるやで……

アルミホイール市場をカンパとマヴィックに食われたのもそうだけど、カーボンクリンチャーでも乗り遅れたのが大きな致命傷だね。残念だけど時代の流れって考えるとしょうがないかも

【2018/2/26追記】
とは言いつつもレースだとバンバンシマノホイール使ってますねサンウェブさん。シューズはハウスブランドで統一ですが、やはりホイールまで変えるのは現場から大きな反発があったのかもしれません。是非もないね
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